相続か生前贈与かどちらが得かを判断する

　相続か生前贈与かどちらが得かを判断する時に、相続のほうが得な可能性が高い状況をまとめると、以下のようなケースが該当します。

• 家の所有者が高齢で、3年以内に亡くなるリスクが高い場合

　生前贈与を行った後に所有者が3年以内に亡くなった場合、贈与した財産は相続財産と見なされ、再度相続税が課されることがあります。

　このリスクが高い場合は相続を選んだほうが得です。

• 贈与後に家の価値が下がる危険性が高い場合

　贈与税は贈与時の価値を基に計算されますが、相続税は死亡時の時価が基準となります。

　もし家の価値が下がる可能性が高いならば、相続を選んだほうが得となります。

• 小規模宅地等の特例が利用できる場合

　土地の評価額を80％減額できる「小規模宅地等の特例」が適用される場合、相続税の負担が大幅に減少します。

　この特例が使える場合は相続を選ぶのが有利です。

• 家を含めた財産の総額が税金のかからない範囲である場合

　相続税には基礎控除があり、その範囲内であれば税金がかかりません。

　財産の総額が基礎控除額以下の場合、生前贈与で贈与税を支払う必要はなく、相続を選んだ方が有利です。

　これらの要素を踏まえ、財産の評価額や所有者の年齢、健康状態、家の将来的な価値変動を考慮して相続か生前贈与のどちらが得かを判断することが重要です。