「高預かり」とは、不動産会社が実際に売却できる見込みがないにもかかわらず、高い査定価格を提示し、媒介契約を結ぶ手法のことです。
以下にその実態と不動産会社が高預かりをする理由を解説します。
「高預かりの実態」
- 高い査定価格の提示
不動産会社が相場よりも大幅に高い価格を提示し、物件の査定額を高く設定します。これにより、売主がその不動産会社と契約しやすくなります。
- 売却の見込みがない
高い査定額を提示しても、実際にはその価格で売れる可能性が低い場合が多いです。
そのため、物件が長期間市場に残り、最終的には価格を下げて売ることになります。
「不動産会社が高預かりをする理由」
- 専任契約を取るため
高い査定価格を提示することで、売主がその不動産会社と専任媒介契約を結ぶ可能性が高くなります。
専任媒介契約は、他の不動産会社と同時に契約することができないため、独占的に物件を取り扱うことができます。
- 媒介件数のノルマ
不動産会社には、一定の媒介件数を取るノルマがあります。
ノルマを達成するために、高預かりをしてでも媒介契約を取ろうとする営業担当者がいます。
- 会社にとってのリスクが少ない
不動産会社は売主からの手数料で収入を得るため、物件が売れなくても直接的な損失はありません。
むしろ、売れなかったとしても、仲介手数料が発生するため、リスクが少ないといえます。
「高預かりを避けるための対策」
- 近隣相場の確認
複数の不動産会社から査定を受け、相場と比較することで、適正な価格を把握します。
また、不動産ポータルサイトや国土交通省の情報を活用して相場を確認しましょう。
- 根拠の確認
査定価格の根拠を営業担当者に確認し、価格設定が合理的かどうかをチェックします。
信頼できる営業担当者であれば、根拠を明確に説明できるはずです。
- 売却期間の確認
物件がどれくらいの期間で売れるかを確認し、現実的な販売計画を立てることが重要です。
- 過去の成約実績の確認
過去に近隣でどのような成約事例があるかを確認し、査定価格が実績に基づいているかを確認します。
- 契約後の対応
高預かりされた場合でも、専任媒介契約の期間が終了後に契約を見直し、他の不動産会社に依頼することができます。
「まとめ」
高預かりは、不動産会社が短期的な営業目標やノルマを達成するために用いる手法ですが、売主にとっては不利になることが多いです。
適切な価格で物件を売却するためには、慎重な不動産会社選びと、査定価格の根拠確認が重要です。
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