2025年の建築基準法改正では、以下の8項目が変更されます。
それぞれの改正内容を項目別に整理しました。
1. 4号特例の縮小(建築確認・検査対象の見直し)
概要:
4号特例では一部の建物を建築確認や構造等の安全性審査の対象から外していましたが、改正により対象が拡大されます。
具体的な改正点:
都市計画区域外でも、2階建てまたは延べ面積200平方メートル以上の建物が構造等の安全性審査の対象に。
大規模修繕も対象となります。
2. 構造計算が必要となる木造建築物の規模引き下げ
概要:
構造計算を行う必要がある木造建築物の規模が引き下げられます。
具体的な改正点:
2階以下の木造建築物で構造計算が必要となる規模が、延べ面積500平方メートル超から300平方メートル超に変更。
二級建築士の構造計算範囲が「高さ16m以下、3階以下」に拡大。
3. 大規模建築物の防火規定の変更
概要:
木造化を促進するため、大規模建築物の防火規定が緩和されます。
具体的な改正点:
木材をそのままむき出しにする「あらわし」の設計が可能に。
4. 別棟部における耐火性能の基準変更
概要:
高層と低層の建物が一体となっている場合の防火規定が緩和されます。
具体的な改正点:
延焼防止策が取られていれば、低層部分は木造での建築が可能。
5. 高さ制限・建ぺい率・容積率に関する特例制度の創設
概要:
省エネ設備の導入を促進するため、高さ制限や面積制限に関する特例制度が設けられます。
具体的な改正点:
太陽光パネルなどを設置するための高さ制限の特例許可制度。
容積率や建ぺい率制限を超える場合にも特例許可が可能。
6. 住宅の採光規定の見直し
概要:
採光規定が緩和され、住宅への転用が容易になります。
具体的な改正点:
居室床面積の1/7以上の採光面積確保を、一定条件で1/10以上まで緩和可能。
7. 一団地の総合的設計制度等の対象行為の拡充
概要:
一団地の総合的設計制度の適用範囲が拡大されます。
具体的な改正点:
新築・増築だけでなく、大規模修繕や模様替えも対象に。
8. 既存不適格建築物に対する現行基準の一部免除
概要:
既存不適格建築物の改修において、現行基準の一部免除が認められます。
具体的な改正点:
長寿命化や省エネ化のための改修工事については、一部の防火・避難規定や建築材料品質規定の適用を免除。
これらの改正により、安心・安全な住宅の確保や省エネ化の促進が期待されていますが、建築費用の増加や設計自由度の制約などのデメリットも考慮する必要があります。
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