相続における同居の子と別居の子の間のトラブルは、感情面の問題が大きく影響します。
特に、親の介護に関わる状況が原因で、相続分を巡って対立することが多いです。
1. 同居していた子の「寄与分」請求
同居して親の介護をしていた子が、他の相続人に比べて多くの遺産を要求する際によく使われる主張が「寄与分」です。
これは、介護や家事などを通じて親の財産を守ったり増やしたりした場合に、その分を相続財産として多く受け取る権利を主張するものです。
しかし、法律で「寄与分」が認められるためには、非常に高いハードルが設けられています。
単に家族としての扶養義務を果たした程度では寄与分は認められず、介護事業者並みの貢献が必要とされます。
2. 別居していた子の「不当利得返還請求」
一方で、別居していた子が同居していた子に対して「親のお金を使い込んだのではないか」と疑い、法的にそのお金を相続財産に戻すよう求めるのが「不当利得返還請求」です。
しかし、こちらも証明することが難しく、親のお金がどのように使われたのかを明確にする必要があります。
3. 解決方法と実情
現実的な解決方法としては、これらの主張を裁判で争うよりも、遺産分割調停や審判で相続人同士が話し合い、合意を目指すことが多いです。
もし調停で解決できない場合、別途寄与分調停や不当利得返還請求訴訟を起こす必要がありますが、これには多大な労力と時間がかかるため、あまり現実的ではありません。
このような問題を未然に防ぐためには、事前に遺言書をしっかりと作成し、相続人同士のコミュニケーションを大切にすることが重要です。
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