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相続人が多数いる場合や疎遠な関係

 相続人が多数いる場合や疎遠な関係が続いている場合の相続問題は、特に複雑でトラブルになりやすいです。

 

主な原因

  • 相続人が多すぎる

 子どもがいない場合やきょうだいが複数いる場合、その子どもや親族にまで相続権が広がることがあります。

 たとえば、被相続人のきょうだいが複数おり、その子ども(甥や姪)に相続権が移ると、相続人の人数が増え、調整が難しくなります。

  • 疎遠な関係

 遠い親戚や長期間連絡を取っていない相続人がいると、連絡が取れない、または反応がないケースが多いです。

 これにより、遺産分割協議が進まないことがよくあります。

  • 居所不明

 海外に住んでいる、または行方不明の相続人がいると、その人の権利を確定させることが難しくなります。

 これにより、遺産分割の手続きが滞ることがあります。

 

解決方法

  • 裁判所を利用する

 相続人との連絡が取れない場合や、居所が不明な場合は、裁判所に頼ることが多いです。

 裁判所は「不在者財産管理人」や「相続財産清算人」を選任し、相続手続きを進める役割を担います。

  • 法的手続き

 「相続財産管理人」や「不在者財産管理人」を選任する手続きは、裁判所が関与して法的に処理します。

 これにより、相続人が実際に出てこない場合でも、相続手続きを進めることができます。

  • 遺産分割調停

 相続人間で意見がまとまらない場合、遺産分割調停を申し立てることで、裁判所の調停委員が間に入り、話し合いの調整を行います。

 調停では、相続人同士の合意に基づいて遺産分割が進められます。

  • 遺言書の活用

 遺言書を事前に作成し、相続の取り決めを明確にしておくことで、相続人間のトラブルを防ぐことができます。

 遺言書があれば、相続手続きがスムーズに進むことがあります。

  • 裁判所の役割

 裁判所は、法的に停滞している手続きを終わらせるための機関であり、「紛争の終局的解決機関」として機能します。

 問題が長引く場合には、裁判所に持ち込むことで、手続きが進むことがありますが、裁判所がすぐに解決するわけではなく、法的手続きの一環として扱われます。

  • まとめ

 相続人が多かったり疎遠な関係が続いている場合は、連絡や調整が困難になりますが、裁判所の制度や法的手続きを活用することで解決することが可能です。

 事前に遺言書を作成することや、専門家に相談することも有効な対策となります。