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双方代理とは、売主と買主の双方の代理人

 「双方代理」とは、不動産業者が売主と買主の双方の代理人として取引を仲介し、その結果、仲介手数料を両方から受け取ることができる仕組みを指します。

 

 この方法により、業者は通常の倍の手数料を得ることができ、業界では「両手で儲ける」とも言われます。

 しかし、この双方代理には問題が潜んでおり、不動産業界で悪用されることも少なくありません。

 

 代表的な悪用の手口が「囲い込み」です。

 囲い込みとは、仲介業者が売主の物件情報を他の業者に共有せず、あたかも買主が既に見つかっているかのように嘘をつくことで、自社で売買を完結させようとする行為です。

 

 これにより、仲介業者は売主と買主の双方から手数料を得ることができる一方で、売主の利益が犠牲にされることがあります。

 

 売主としては、業者に任せきりにせず、定期的に取引の進捗を確認することが重要です。

 特に専任媒介契約を結んでいる場合、レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録状況や問い合わせの件数など、具体的な状況を業者に報告してもらうよう求めましょう。

 

 不透明な対応や曖昧な説明があれば、その業者との契約更新を慎重に考えるべきです。

 

 こうした悪質な手口を防ぐためには、売主自身が知識を持ち、業者に対して適切なチェックを行うことが不可欠です。