不動産の売却を委ねる際

　不動産仲介業者に不動産の売却を委ねる際、業者が自社の利益を最優先に考えることは、資本主義社会において自然なことです。

　しかし、売主としては、そのことを十分に理解した上で交渉に臨む必要があります。

　特に、「専任媒介契約」を結ぶ際には注意が必要です。

　「専任媒介契約」では、売主は一つの不動産会社にしか仲介を任せられず、他の業者に並行して依頼することができません。

　この制約により、仲介業者は自社の利益を確保するために全力を尽くすことが期待されますが、その反面、売主にとっては、選択肢が制限されるリスクがあります。

　一方、「一般媒介契約」では、複数の不動産会社に同時に依頼できるため、買手候補を広く見つける可能性が高まりますが、不動産業者側は確実に仲介できる保証がないため、力を入れない場合もあります。

　したがって、不動産の売却に際しては、契約形態の違いを理解し、自分にとって最も有利な選択をすることが重要です。

　契約の際には、業者の言葉に流されず、冷静に判断することが求められます。

　業者がどのように利益を追求するか、「その手口を理解しておくこと」が、売主としての利益を守るための第一歩です。