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認知症の症状が頻繁に出るようになった場合

 認知症の症状が頻繁に出るようになった場合、特に財産管理や法律行為に関しては、慎重に対応する必要があります。

 以下は、具体的な手順と対策について説明します。

 

1. 判断能力の確認

 まず、お父さんの判断能力を確認することが重要です。

 これには医師の診断が必要となります。医師の診断書を基に、判断能力が低下しているかどうかを確認します。

 

2. 法定後見制度の活用

 お父さんの判断能力が不十分である場合、法定後見制度を活用することが検討されます。 

 法定後見制度には以下の3種類があります。

  • 後見:判断能力が欠けている場合。
  • 保佐:判断能力が著しく不十分な場合。
  • 補助:判断能力が不十分な場合。

 家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人等を選任してもらいます。

 成年後見人等には、家庭裁判所が選んだ信頼できる第三者や親族が選ばれます。

 

3. 成年後見人の選任

 家庭裁判所が成年後見人等を選任します。

 成年後見人等は、本人の財産管理や法律行為の代理を行う権限を持ちます。

 家族の中で誰を後見人にするかを話し合い、必要に応じて法律の専門家に相談することが重要です。

 

4. 居住用不動産の処分許可

 お父さんの自宅を売却する場合、家庭裁判所の「居住用不動産処分許可」が必要です。

 具体的な手順は以下の通りです。

  1. 宅建業者に自宅売却を依頼する。
  2. 買主が見つかる。
  3. 居住用不動産処分許可の申し立てを裁判所に行う。
  4. 許可の審判が下りる。
  5. 売買契約が成立する。

5. 専門家への相談

 成年後見制度や居住用不動産の処分許可については、専門的な知識が必要です。

 行政書士、司法書士、弁護士などの専門家に相談しながら手続きを進めることをお勧めします。

 

6. 家族間の話し合い

 お父さんの財産管理や居住用不動産の処分に関しては、家族全員で話し合い、合意を得ることが大切です。

 特に兄弟姉妹がいる場合、全員が納得する形で進めることが重要です。

 

7. 将来のための対策

 現在の状況だけでなく、将来のための対策も考えておくことが大切です。

 任意後見制度などを利用して、将来の財産管理や法律行為に備えることも検討してください。

 もし具体的な手続きを進める場合や詳細な相談が必要な場合は、信頼できる専門家に直接相談することを強くお勧めします。