衝動的に物件を申し込んでしまった場合でも、適切な手続きを踏むことで契約を解除できる「クーリング・オフ」制度はとても有用です。
クーリング・オフの適用条件
- 売主が宅建業者であること:
Aさんが購入を申し込んだ物件の売主が宅建業者であることが必要です。
- 買主が宅建業者でないこと:
Aさんは一般消費者であるため、この条件は満たしています。
- 契約や申込みの場所:
契約や申込みが「正しい判断がしづらい場所」(事務所等以外)で行われた場合に適用されます。
喫茶店での申込みは「事務所等以外」に該当します。
クーリング・オフができる「事務所等」以外の場所
- 売主や媒介・代理業者の事務所ではない場所
- 買主が自ら申し出た自宅・勤務先以外の場所
- 取引士の設置義務がない場所
クーリング・オフの方法と期限
書面での通知:
クーリング・オフは書面で行う必要があります。
一般的には配達証明付き内容証明郵便で通知します。
8日間の期限:
売主からクーリング・オフの方法が書面で告げられた日から8日間以内に行う必要があります。
クーリング・オフの手続き
- 内容証明郵便の送付:
クーリング・オフの意思を示す書面を作成し、配達証明付き内容証明郵便で売主に送付します。
- 返金の請求:
クーリング・オフにより支払った手付金やその他の金銭はすみやかに返還されます。
売主は損害賠償や違約金を請求することはできません。
クーリング・オフができなくなる場合
- 8日間経過後:
クーリング・オフの方法が書面で告げられてから8日間経過した場合。
- 物件引渡しと全額代金支払い:
物件の引渡しを受け、かつ、代金を全額支払った場合。
具体的な対応
- Aさんは、まず売主からクーリング・オフの方法が書面で告げられた日を確認し、その日から8日間以内にクーリング・オフの書面を作成します。
- 内容証明郵便で売主にクーリング・オフの意思を伝えます。
- 手付金などの返金を求める書面も一緒に送付します。
- Aさんが冷静に考えた結果、条件が異なると感じたのであれば、適切な手続きを踏んでクーリング・オフを行い、納得のいく物件選びを続けることが重要です。
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