不動産M&Aとは

　「不動産M&A」とは、不動産を所有する会社の株式を売買する形で不動産の所有権を移転する手法のことを指します。

 

不動産M&Aの概要

• M&Aの定義：

　M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略称で、「合併と買収」を意味します。

　複数の会社が統合したり、1つの会社が他の会社を買収したりすることを指します。

• 不動産M&Aの特徴：

　不動産M&Aは、不動産を所有する会社を対象としたM&Aのことです。

　不動産そのものを売買するのではなく、その不動産を所有する会社の株式を譲渡します。

 

不動産M&Aと一般的なM&Aの違い

 

目的の違い：

• 一般的なM&A：会社全体または事業全体の譲渡が目的。
• 不動産M&A：不動産の譲渡が目的。

不動産M&Aと不動産売買の違い

 

譲渡対象の違い：

• 不動産売買：不動産そのものを現物売買。
• 不動産M&A：不動産を所有する会社の株式を譲渡。

 

買い手の注意点：

　不動産M&Aでは、株式を譲渡するため、会社の資産や負債も同時に引き継ぐ可能性があります。

　事前に簿外債務や訴訟リスクの有無を調査する必要があります。

 

不動産M&Aのメリット

• 税負担の軽減：

　不動産売却と比較して、不動産M&Aでは株式の譲渡益に対して申告分離課税の約20％が適用されるため、税負担が軽減されます。

 

買い手側の税負担の軽減：

　不動産の所有権は売り手の法人に残るため、不動産取得税や登録免許税がかかりません。　

　また、経営資源集約化税制の特例を活用することで、購入した株式の取得価額の一部を損金算入できます。

• 売り手と買い手がWIN-WINの不動産M&A

　不動産M&Aは、不動産の譲渡を目的とした取引であり、株式の譲渡を通じて税制優遇措置を受けることができます。

　高度な知識と専門性が求められるため、税理士や不動産鑑定士のサポートが不可欠です。

 

不動産M&Aの流れ

• 対象会社の選定：

　売り手は不動産を所有する会社、買い手はその会社の株式を取得することを前提に選定します。

• デューデリジェンス：

　専門家に依頼し、対象会社の財務状況や簿外債務、訴訟リスクを調査します。

• 株式譲渡契約の締結：

　調査結果を基に、売買価格やその他の条件を決定し、株式譲渡契約を締結します。

• 譲渡手続き：

　株式譲渡の手続きを行い、不動産の所有権が新たな所有者に移転します。

 

　不動産M&Aは、不動産の売却を考えているオーナーにとって、税負担を軽減しつつ効率的に不動産を譲渡する手段として有効です。

　専門家と相談しながら、適切な方法を選択することが重要です。