相続対策としての借入と返済方法の検討
相続対策として建物を建てるために借入を行う場合、借入の種類や返済方法を適切に選択し、家族で共有することが重要です。
以下では、元利均等返済と元金均等返済の違いや、それぞれの特徴について詳しく説明します。
元利均等返済と元金均等返済の違い
元利均等返済:
- 特徴: 元金と利息の合計が毎月一定額になる返済方法。
- 利点: 毎月の返済額が一定のため、返済計画が立てやすい。
- 欠点: 借入当初は利息部分の割合が多く、元金の減りが遅い。
利息部分が徐々に減少し、元金返済額が増加していく。
元金均等返済:
- 特徴: 元金の返済額が毎月一定額で、利息部分が元金の減少に伴って減少していく返済方法。
- 利点: 元金の減りが早く、総返済額が少なくなることが多い。
- 欠点: 当初の返済額が大きくなる。
当初返済額が大きいが、徐々に総返済額が減少する。
返済シミュレーション
条件: ローン金額 150百万円、金利 2.0%(借入期間中不変)、融資期間 30年
元利均等返済:
- 総返済額: 多くの場合で高くなる。
- 金利が低い場合: 返済額の差は小さい。
- 金利が上昇する場合: 総返済額の差が大きくなる。
元金均等返済:
- 総返済額: 元利均等返済よりも少なくなることが多い。
- 金利が低い場合: 差は小さいが、金利上昇時には有利になる。
金利が上昇するにつれて、元利均等返済の総返済額が元金均等返済よりも大幅に増加することがわかります。
金利上昇時の影響
元利均等返済の場合:
- 金利上昇により毎月の返済額が増加。
- 元金の減りが遅くなるため、総利払額が増加。
元金均等返済の場合:
- 元金の返済額は一定で、金利部分のみが増加。
- 金利の影響が元利均等返済よりも少ない。
戦略的な借入方法の選択
元利均等と元金均等のミックス:
- 2本に分けて借入し、リスク分散を図る。
- 固定金利と変動金利を組み合わせることで、金利上昇時のリスクに対応。
金利市況の把握:
- 常に金利動向を注視し、家族内で打ち合わせを行う。
- 金利上昇局面では元金均等返済を選択し、総利払額を抑える。
柔軟な対応:
- 元利均等返済と元金均等返済を状況に応じて使い分ける。
- 金利が低いまま変わらない場合は、元利均等返済を選択し、キャッシュフローを他の運用に充てることも検討。
アパートローンの特性
住宅ローンとは異なり、アパートローンの返済原資は不動産収入です。
築年数が浅いほど収入が高く、築年が経過するごとに収入が減少する傾向があります。
この特性を踏まえ、返済方法を慎重に選択することが求められます。
まとめ
相続対策としての借入と返済方法の選択は、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 借入内容の整理と家族での共有。
- 返済方法の総利払額の違いを理解し、適切な選択。
- 金利市況の把握と家族内での打ち合わせ。
- 金利上昇局面では元金均等返済も検討し、総利払額を下げる努力。
- 柔軟に対応できるよう、元利均等と元金均等をミックスする。
これらのポイントを押さえることで、円滑な相続と資産承継を実現できます。
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