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奇与分に関する法的な取り扱いやその認定基準

 寄与分に関する法的な取り扱いやその認定基準は、具体的な事例や裁判の結果を通じて理解することが重要です。

 

神戸家裁豊岡支部平成4年12月28日審判(療養看護型):

 この判例では、相続人の妻が被相続人の看護を行い、その結果自律神経失調症を患った事例が示されています。裁判所は相続人の妻の献身的な貢献を認め、120万円の寄与分を認定しました。

 ただし、特別寄与料制度がなかったため、相続人の代行者としての寄与分として認定された点に留意してください。

 

東京高等裁判所平成22年9月13日決定(扶養型):

 この判例では、相続人が被相続人の家計に給料を全額入れ、家計の管理を担った事例が示されています。

 裁判所は相続人の行為を特別の寄与と判断し、寄与分を認定しました。

 ここで重要なのは、被相続人の経済的支援が一般的な扶養を超える範囲に及んでいた点です。

 

一方で、寄与分が認められなかった判例も示されています。

 

静岡家庭裁判所沼津支部平成21年3月27日審判(療養看護型):

 この判例では、相続人の妻が被相続人の介護を行ったものの、裁判所はその介護が通常の扶養義務を超えるものではないと判断し、寄与分を認めませんでした。

 被相続人の自立能力が考慮されました。

 

大阪高等裁判所平成27年3月6日決定(扶養型):

 この判例では、相続人が被相続人の食事の世話をしたものの、裁判所はその行為が特別の寄与であるとは認めず、寄与分を認めませんでした。

 証拠が不十分であったことが一因として挙げられています。

 

 これらの判例からは、寄与分の認定には被相続人の状況や相続人の貢献度などを総合的に考慮する必要があることがわかります。

 また、適切な証拠の提出や法的サポートの重要性も強調されています。