遺言能力とは、遺言を行う個人が遺言事項を具体的に決定し、その法的効果を理解し得る能力のことです。具体的には次のような点が挙げられます:
- 民法の規定: 民法では、15歳に達した者が遺言をすることができると規定されています(民法961条)。
- 判断基準の不明確性: 遺言能力については、明確な判断基準が存在せず、個々の事案ごとに総合的に判断されます。
- 遺言事項の具体的決定と理解: 遺言者は、遺言事項を具体的に決定し、その法的効果を理解する能力が必要です。
- 行為能力の制限の不適用: 遺言には行為能力の制限に関する総則規定が適用されないため、未成年者や成年後見人も遺言をすることができます(民法962条、973条)。
遺言能力の判断に際しては、次のようなポイントが考慮されます:
- 遺言者の判断能力: 遺言者の判断能力の程度が注目されます。
- 遺言事項の内容や形式: 遺言事項の内容や形式が、遺言能力の判断に影響を与えます。
- 年齢と健康状態: 年齢や健康状態も遺言能力の判断に関連する要因です。
- 遺言時の状況と言動: 遺言時の状況や言動も、遺言能力の有無を判断する際に考慮されます。
- 遺言者と周囲の関係: 遺言者と相続人や受遺者との関係や交流関係が、遺言能力の判断に影響します。
- 公証役場での取り扱い: 公証役場で作成された公正証書の場合、公証人による十分な確認が行われた場合、遺言能力に疑念を抱くことは少ない傾向があります。
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