家族信託と成年後見制度のメリット・デメリット

家族信託とは?

 

定義:

 信頼できる特定の家族や親戚に財産管理や処分を委託する制度。

 委託者(信託を依頼する人)と受託者(実行する人)が契約を締結して成立する。

 

開始時期:

 委託者の意思で自由に決定。元気なうちからまたは判断能力が低下してからなど、条件を契約で取り決める。

 

受託者の役割:

 委託者と合意した範囲内で、財産の管理、運用、処分を行う。

 

成年後見制度とは?

 

定義:

 成年後見人が成年被後見人(支援を受ける本人)をサポートする制度。

 被後見人の財産管理、身上監護、法律行為の代行、生活支援を行う。

 

種類:

 法定後見:

 家庭裁判所が法定後見人を決定する。

 任意後見:

 本人が指定した後見人と契約し、後に家庭裁判所に申し立てる。

 

 家族信託と成年後見制度のメリット・デメリット

 

家族信託のメリット:

 

自由な契約設定:

  • 委託者が財産の管理・運用・処分を自由に設定できる。
  • 契約開始時に家庭裁判所の関与がないため、迅速な支援が期待できる。

倒産隔離機能:

信託口口座や信託登記によって、債権者からの差し押さえリスクを回避できる。

 

家族信託のデメリット:

  • 身上監護を含まない:
  • 医療機関への入院手続きや介護契約などの身上監護は契約内容に含まれない。

成年後見制度のメリット:

 

幅広い支援:

 財産管理、身上監護、法律行為の代行、生活支援など幅広いサポートが可能。

 

専門家の選択:

 弁護士や司法書士など専門家を後見人に指定することができる。

成年後見制度のデメリット:

 

財産管理の制限:

 財産の管理に限定され、投資などの運用は認められない場合がある。

 

手続きの必要性:

 家庭裁判所の関与が必要であり、申立てや審理に時間と手間がかかる可能性がある。