子どもがいない夫婦の場合

　子どもがいない夫婦の場合、相続人が広範囲に及ぶため、相続トラブルが発生しやすくなります。

ケース１：妻と夫の兄弟姉妹の争い

原因:

• 夫婦の間に子供がいないため、夫の財産の一部が夫の兄弟姉妹に相続されることになり、妻と兄弟姉妹の間で相続トラブルが発生。

予防策:

• 遺言書を作成し、夫の財産を妻に相続させる内容を明確に記述する。
• 遺言書において、妻以外の相続人に対する遺留分の配分や財産の分配理由を説明する。

ケース２：配偶者側親族に財産が渡ってしまう

原因:

• 夫の遺言で妻が亡くなった後、夫の家系の親族に財産を相続させたいという希望を記載したが、法的効力がなく妻の親族との相続トラブルが発生。

予防策:

• 信託を活用して、妻の相続後に夫の家系の親族に財産を相続させる仕組みを設定する。
• 信託によって、一次相続の権利は妻に与えるが、妻の相続後の二次相続については夫の家系の親族に分配することを可能にする。

　これらのケースでは、遺言書や信託を活用することで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。

　しかし、法的な規定や手続きについての理解が重要であり、専門家の助言を得ることも有益です。