預貯金の払戻しによる紛争の予防・回避と解決の道筋についてです:
- 遺産分割の対象となる預貯金の払戻し制度の創設
平成30年法律72号により、遺産分割前に共同相続人が単独で預貯金債権を行使できる制度が導入された(民法909の2)。
- 民法909条の2による払戻しの制限
預貯金債権の払戻しは、相続人が法定相続分を超えない範囲で行われる(民法909の2前段)。
一つの金融機関からの払戻しは最大150万円までとされる(民法909の2前段)。
- 民法909条の2による払戻しを受けた預貯金債権の取扱い
払戻しが行われた預貯金債権は、遺産分割時に相続人が取得したものとみなされる(民法909の2後段)。
遺産分割時に相続人の法定相続分を超過する場合、その超過部分を精算する必要がある。
- 民法909条の2と民法906条の2との適用関係
遺産分割前に処分された財産に関しては、民法909条の2が適用される。
ただし、遺産分割前の処分が規定に違反している場合は、民法906条の2が適用される。
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