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オーダーメイド賃貸借と賃料減額請求権

「いわゆるオーダーメイド賃貸借と賃料減額請求権」に関する要旨は以下の通りです:

 

事案の概要:

  • スーパー経営者(X)が所有地に要望の建物を建設し、長期間賃借する計画。建設協力金として1億6千万円を預託。
  • Yは賃料月額649万円の20年契約で建物及び駐車場を賃貸。賃料は3年毎に改定、初回は7%増額。

主張と訴訟:

  • Xが賃料減額請求を行い、Yに未払賃料等の支払いを求めたが、原審で却下された。

判決の要旨:

  • Xが賃料減額請求を行使したが、原審が重要な事情を参酌せずに請求を否定した判断は、借地借家法の解釈適用を誤ったものとされる。
  • 借地借家法32条1項の規定は強行法規であり、特約により適用を排除できない。賃料減額請求の判断は、当該特約や当事者が賃料決定の要素とした事情を総合的に考慮する必要がある。
  • 原審は他の重要な事情を参酌せずに請求を否定したため、解釈適用の誤りがあり、判決は破棄されるべきである。

まとめ:

  • オーダーメイド賃貸においても、借地借家法の規定は適用され、賃料減額請求の行使は特約や総合的な事情の考慮が必要。
  • 本判決はサブリース事件の最判を引用し、賃貸人が賃借人の営業に適した建物を建築して賃貸する場合も、特別な基準を設けずに一般的な判断が求められることを示している。