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借地借家法の地代等増減請求権

この裁判事例は、「地代自動改定特約と借地借家法の地代等増減請求権」に関するものです:

 

事案の概要:

  • 借地人Xが賃貸人Y所有の土地に対して35年間の賃貸借契約を締結。
  • 賃料の特約では、権利金の授受はなく、賃料は3年ごとに見直し。経済情勢変動による別途協議も規定。

賃料の変更と争いの発生:

  • 平成9年7月、地価下落を理由にXが賃料を10%減額して請求。
  • Yはこれを拒否し、平成10年10月に遡っての賃料増額差額の支払いを催告。

判決の要旨:

  • 借地借家法11条1項の規定は強行法規であり、地代等の額の決定は当事者の自由な合意によるが、将来の地代等の額をあらかじめ定める特約も可能。
  • 地代自動改定特約は、改定基準が借地借家法11条1項の規定に基づく相当なものである場合、その効力が認められる。
  • しかし、改定基準の基礎となっていた事情が失われ、地代等の額が不相当となった場合、当事者は特約に拘束されなくなる。
  • 土地価格の下落後、Xは増額特約に拘束されなくなり、Yの増額請求を棄却し、Xの減額請求について審理を尽くすため原審に差し戻す。

まとめ:

  • この判決では、特約に基づく地代自動改定が、基準の変化により不相当になった場合、借地借家法に基づく地代等増減請求権の行使が可能であるとされています。