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借地の一部分の契約更新拒絶1

この事例は、「借地の一部分の契約更新拒絶」に関するもので、以下が要旨です:

 

事案の概要:

  • Xの被相続人AとYの被相続人Bの間で土地甲・乙・丙を含む賃貸借契約が締結された。
  • AとBの相続人であるXとYの間で紛争が発生。Yは土地丙の賃借権を放棄し、土地甲・乙は法定更新がなされた。
  • Yは土地乙を更地にしていたため、Xは契約更新を拒絶し、明渡しを求めた。

判決の要旨:

  • 賃貸借契約の対象となった土地が明確に区分でき、使用形態が異なる場合、同一の契約であっても、それぞれ独立の対象として判断することが相当である。
  • 土地甲と乙は土地丙を挟んでおり、利用形態が別個・独立していると認められた。したがって、賃貸借契約終了の当否を判断するにあたっては、それぞれ独立の対象として判断するのが相当である。
  • 借地法によれば、借地上の建物が存在しない場合には、更新請求が認められないが、建物不存在の理由が賃貸人の責めに帰すべき事情による場合は、賃貸人が更新請求を争うことは信義則上許されない。
  • Yが土地乙を更地にしている理由が、Xの妨害によるものでないこと、また、XがYの計画に異議を述べなかった経緯などを考慮し、土地乙の部分に係る賃貸借契約は期間満了により終了したと解するのが相当であり、Xの明渡し請求を認容する。

まとめ:

  • この事例では、土地の一部分について契約更新拒絶があった場合、その一部について明渡しを認めるとの判断が示されています。
  • 判例や学説のもと、地主の正当事由や責任の有無を考慮しながら、更新拒絶に関する判断が行われました。