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媒介業者による不当な買取り

裁判事例の要旨

大項目:

 媒介業者による不当な買取り

裁判概要:

事案の概要:

  • 売りの専任媒介契約を結んだ業者Xが、買い希望者がいることを隠し、自らが買主となり低価格で契約。
  • Yが詐欺行為を主張して売買契約の取消しと手付金返還を求める。

主張:

  • Yは詐欺行為により契約を取り消せると主張。
  • Xは手付金の返還と違約金の支払いを求めるが、一審で却下。

判決の要旨:

 

詐欺行為の成立:

  • Xは相場より低い価格で買い取る計画を秘して虚実をまぜてYに売却を勧誘。詐欺行為成立。
  • Yは詐欺を理由に売買契約の取り消しを認められる。

損害賠償と相殺:

  • Xの詐欺によりYは損害を被り、その損害額を手付金と相殺して返還請求が可能。
  • Xの請求は理由がないため、控訴は棄却。

まとめ:

  • 媒介業者が自ら買主となる場合、適切な手続きを踏み、媒介契約を解除してから売買契約を進めるべき。
  • Yの詐欺主張が成り立ち、損害賠償と手付金の相殺が認められた。