裁判事例の要旨
大項目:
当初の媒介業者を外して成約した取引と報酬請求権
裁判概要:
事案の概要:
- 売主Y1と媒介業者Xの専任媒介契約が締結。
- 隣地所有者Y2も他の媒介業者と一般媒介契約を締結。
- 購入希望者AはXを通じてY1及びY2との取引を試みるが不成立。
- Aが新たに媒介業者Bに依頼し、Y1及びY2との売買契約が成立。
主張:
- XがY1に対する報酬請求権を主張。
- Y1はこれを否認し、原審で一部認容されたが、Y1が不服として控訴。
判決の要旨:
契約の成立と報酬請求権:
- Xの媒介はAに対する売却が拒絶された時点で終了。
- 専任媒介契約は3か月の有効期間の経過後は失効。
- Xを排除するために売買契約を拒絶した証拠なし。
- Xの積極的な媒介行為が成約に寄与していないこと。
特約による報酬請求:
- 特約の適用は難しく、Xの媒介行為が報酬支払いに値する程度に成約に寄与していない。
- Bの手腕が成約に大きく寄与したと認めることはできず、特約による報酬請求は認められない。
まとめ:
- 当初の媒介行為が報酬を支払うに値するほどに成約に寄与していないことと、売主が故意に当初の媒介による契約を妨害していないことを理由に、媒介契約書の特約によっても報酬を請求することはできないと判断された。
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