裁判事例の要旨
大項目:
裁判事例 - 売主が調査を拒否した事実についての媒介業者の責任
裁判事例の内容:
事案の概要:
- 媒介業者Yの媒介で中古建物を購入したXが、購入時に加圧ポンプが1台故障していたことをYが調査し報告しなかったとして損害賠償を請求。
- Xは、加圧ポンプの作動状況が重要事項であり、Yの調査義務違反により損害を被ったと主張。
判決の要旨:
媒介業者の調査義務:
- 媒介業者は、通常の注意を尽くせば認識できる範囲で物件の瑕疵の有無を調査し、買主に報告すべき義務を負う。
- 加圧ポンプの作動状況は生活にとって極めて重要な事柄であると認識され、調査報告義務を負う。
拒否された立入りにおける調査:
- 売主が物件への立入りを拒否した状況下で、Yが通常行える調査を行い、その結果を報告していれば、調査義務違反には当たらない。
- Yはポンプ室に立ち入れなかったが、Aの代表者が立ち入りを拒否した状況でヒアリング等の調査を行い、その結果を報告した。
まとめ:
- 買主に報告できなかった場合でも、やむを得ない状況下で一部覚知できなかった場合は、媒介業者に責めが帰すべき事由があるとまではいえないとされた。
- 拒否された立入りにおける調査が行われたことが考慮されている。
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