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価格検討上の重要な事実の売主の説明義務

裁判事例の要旨

大項目:

 裁判事例 - 価格検討上の重要な事実の売主の説明義務

 

 

裁判事例の内容:

事案の概要:

  • Y(都市再生機構)は、団地の建替えに協力した住民に対し、建替え後の分譲住宅に優先購入機会などの条件を約し、譲渡契約を締結。
  • Yが一般公募価格よりも高額な価格で譲渡しており、未分譲住宅の一般公募を行う意思がなかったことを説明せず、後に値下げして一般公募。
  • 購入者らが価格検討の機会を奪われたとして慰謝料を求めた。

判決の要旨:

説明義務の違法行為:

  • Yは一般公募価格よりも高額な価格で譲渡しており、未分譲住宅の一般公募を行う意思がなかったにもかかわらず、その旨を説明しなかった。
  • Xらに価格の適否について検討する機会を奪った違法行為があり、信義誠実の原則に著しく違反すると判断。

慰謝料請求権の発生:

  • Xらが契約を締結するか否かの意思決定に関わる事実を説明しなかったことが、慰謝料請求権の発生を肯定する違法行為と評価。

まとめ:

  • 本判決は、信義誠実の原則に著しく違反するとして、不法行為に基づき、慰謝料まで認めたものである。
  • 裁判所は売主の価格に関する事実を適切に説明しなかったことを問題視し、買主の損害を考慮して違法行為を認定した。