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不完全な工事見積書を交付した媒介業者の責任

裁判事例の要旨

大項目: 

 裁判事例 - 不完全な工事見積書を交付した媒介業者の責任

 

裁判事例の内容:

 

 事案の概要:

  • 媒介業者Yが、土地の媒介を行い、Xに対して誤解を招くような見積書を交付。
  • 土地には建築制限や擁壁設置の制約があり、Xがこれを理解していなかった。
  • Xが媒介により土地を購入し、損害を被り、Yに損害賠償を求め提訴。

判決の要旨:

業者の責任:

  • Yは、建築基準法や宅地造成等規制法に基づく具体的な説明を怠り、誤解を生じさせたため、善管注意義務違反があり、損害賠償の義務が生じる。

買主の過失:

  • Xも概算見積書に依拠して即断し、売主との交渉を考えなかったことから過失があり、その割合は6割と判定。
  • 長年にわたって業者の責任を問いただす態度にも過失があった。

判決結果:

  • Yは、Xに対して損害賠償の一部を認めるが、Xの過失があるため、6割の過失相殺を認定。

まとめ:

  • この事例では、媒介業者が誤解を生じさせるような見積書を交付したことが問題となり、業者には善管注意義務違反があり損害賠償の責任が生じた。
  • 一方で、買主も即断せず、業者との交渉を行わなかったことが過失であり、その割合は6割とされた。
  • 業者による不完全な見積書の交付がトラブルの原因となり、裁判所は過失相殺を認めた。