裁判事例の要旨
大項目:
裁判事例 - 眺望を売り物としていたマンションの売主の説明義務違反
紛争概要:
当事者:
- 売主業者(X):マンションの売却契約を締結。
- 購入者(Y):マンションの購入者。
主張:
- Y:マンションの広告が「全室オーシャンビュー」としており、電柱や送電線によって眺望が遮られることを説明されていない。契約解除を求める。
- X:購入者が選んだ階層において眺望の差異がない旨を説明済みであり、違約金の支払いを求める。
判決の要旨:
説明の義務:
- 建築前の物件においては、購入希望者が現物を確認できないため、売主は可能な限り正確な情報を提供して説明する義務がある。
- 特に眺望をセールスポイントとする場合、その情報は重要な事項であり、正確な説明が求められる。
眺望の説明義務違反:
- Xは広告や完成予想図で「全室オーシャンビュー」と宣伝しており、電柱や送電線の影響について具体的な説明を怠っていた。
- Yが眺望に重点を置いていたことを認識していたため、具体的な阻害要因についての説明が必要だった。
違約金の棄却と賠償認容:
- 違約金の支払いを求めるXの請求は理由がないとして棄却。
- Yの手付金およびオプション工事代金の範囲で賠償の支払いを認容。
まとめ:
- この事例では、眺望を重視する点が購入者にとって重要であったにも関わらず、売主が電柱や送電線による眺望の遮蔽について適切に説明しなかったことが説明義務違反とされ、契約解除が認められました。
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