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マンションの設備騒音と錯誤

裁判事例の要旨

大項目:

 裁判事例 - マンションの設備騒音と意思表示の錯誤による契約の無効

 

事実関係:

  • 平成8年1月、Xの妻がマンション販売センターでAから購入した際、ポンプ室からの騒音はないとの説明を受ける。
  • 重要事項説明書にはポンプ室の存在が記載されていたが、図面集にはその記載がなかった。
  • 入居後、騒音に悩まされ、対策を講じたが解決せず、Xは契約解除を求めて提訴。

訴訟内容:

  • Xは、騒音により契約解除を求め、売買代金相当額の返還を請求。

判決の要旨:

  • 騒音は改善されたものの、建築学会の基準によれば通常の住環境とは言えないほどの騒音が存在。
  • 購入者の動機は通常の静けさを享受することであり、騒音がある状況での契約は法律行為の要素に錯誤があり、契約は無効。
  • 売買契約においては、表示と実際の状況に齟齬がある場合、購入者の意思表示に錯誤が生じる可能性があり、その場合は契約が無効になることがある。

まとめ:

  • 騒音による契約解除は、音の感じ方や騒音の程度、購入者の動機などが個別の事情に左右される。
  • 本件では、騒音の度合いと購入者の動機が明確に表示され、法律行為の要素に錯誤があったとして契約が無効とされた。