裁判事例の要旨
大項目:
裁判事例 - マンションの方位についての説明義務
事実関係:
- 平成6年5月から10月にかけて、売主業者Yの新築マンションを販売代理業者Aから13世帯の買主Xが購入。
- Yは、パンフレットや広告で「全戸南面」「全戸南向き」と宣伝し、方位についての図も掲載。
- 実際のマンションは、バルコニー側が真南から62度11分西方向に向いていた。
訴訟内容:
- Xは、方位表示が不正確であり、その結果として日照不足や光熱費の増加、価格減少などの損害が生じたとして、損害賠償を求める。
判決の要旨:
- 業者には、買主の意思決定に影響を与える重要な事実について、不正確な表示や説明を行わない信義則上の附随義務がある。
- 未完成マンションでは現地見分が難しいため、売主業者は方位に関して不正確な表示や説明を避けるべきである。
- Yが作成した広告やパンフレットの方位表示は不正確であり、信義則上の附随義務違反がある。
- 不動産広告における不正確な表示・説明は、宅建業法や広告規約に違反する可能性があるが、本件では信義則上の附随義務違反とされた。
まとめ:
- 不動産広告においては、正確な情報の提供が求められる。特に未完成マンションの場合、買主が確認できない部分も多いため、業者は不正確な表示や誤解を招くような広告を避けるべきである。
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