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通行地役権者からの通行妨害禁止請求

《裁判事例の要旨》

大項目: 

 裁判事例 - 通行地役権者からの通行妨害禁止請求

 

事案の概要:

  • 本件通路土地に通行地役権を有するXが、本件通路土地に恒常的に駐車されることで通行が妨害されているとして、通行妨害禁止請求を行う。
  • 本件車両を新たに購入した所有者Yが、本件係争地に車両を駐車するようになり、Xが通行妨害行為の禁止を求めた。

判決の要旨:

  • 本件地役権は通行の目的の限度において本件通路土地全体を自由に使用できるものであり、その通行が妨害されることは許容できない。
  • 通行地役権に基づき、通行妨害行為の禁止を含む妨害排除権があり、残余の幅員がある場合でも通行制約はない。
  • 通行地役権は通行の範囲内においてのみ使用できる権利であり、目的外使用一般の禁止を求めることはできない。
  • Xの請求は、車両の恒常的な駐車により通行が妨害されない限度で容認されるべきである。

まとめ:

  • 前面道路が"持分を持たない私道"だけに接する土地の媒介において、通行や設備に関する確認が必要。
  • 特に通行の問題や各設備については、所有者の承諾や利用制限、負担金などについて慎重な調査が求められる。