事案の概要:
- 不動産業者Xが不動産業者Zの媒介で、売主Yから土地建物の売買契約を締結(売買代金7,200万円)。
- 売買契約書には、現状有姿のまま引き渡す旨と、雨漏り等の責任は売主が引渡し後2か月以内に発見されたもののみを負うことが記載。
- 重要事項説明書には、排水や浄化槽についての情報があり、物件状況報告書には隣地の利用や配管の有無についての記載があった。
- 引渡し後、Xが調査すると、隣地所有者Aとの共有共用の排水管と浄化槽が埋設されていることが判明。
- Xは瑕疵担保責任または債務不履行責任を根拠に、損害賠償を求めてYに提訴。
判決の要旨:
- Xは排水管と浄化槽の埋設を知らず、存在が地表面からは認識できない隠れた瑕疵であることが認められた。
- 売買契約書には特約があり、瑕疵担保責任は雨漏り等に限定されていたが、Yは浄化槽がAとの共有共用であった事実を知っており、それをXに告げなかったことが認められた。
- 特約によっても免れない場合、売主の瑕疵担保責任は認められる。
- Xには過失がなく、被った損害について解約違約金(50万円)と火災保険料(1万9千円)を認めるのが相当とされた。
まとめ:
- 特約がある場合でも、売主が隠れた瑕疵を知りながら告げなかった場合は、瑕疵担保責任が認められる。
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