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重要事項説明書の記載ミス

事案の概要:

  • 媒介業者を介して購入した宅地において、売主が提供した重要事項説明書に記載されていた下水道管等が接続されておらず、飲用水や都市ガスも通っていなかった。
  • 買主が媒介業者に対し、排水施設等の整備を要求し、契約書及び説明書に明記された事項を全て履行するよう求めた。
  • 売主は、買主が隣接する土地を所有しており、給排水管も引き込まれていると主張。道路持分や給排水管は不要であるとして紛争が発生。

事案の経過:

  • 調整委員3名により5回の調整が行われた。買主は契約書や説明書に記載された通りの状態を求め、売主は事情の説明を行った。
  • 売主は、元々の開発分譲業者が土地の接道や下水道管敷設を行わず、それが根本の問題であると主張。
  • 買主は売主が元の所有者(開発分譲業者)と交渉して問題を解決すべきだと主張。

和解の内容:

  • 調整の結果、和解が成立。
  • 委員からは金銭解決しか方法がない旨伝えられ、買主は57万円余(元の所有者が採納の条件として要求する金額)を最低限の要求とし、売主は30万円が限度と主張。
  • 売主は市と再交渉を行い、不調だった場合には57万円余を支払うことを申し出、最終的に和解が成立した。