事案の概要:
- 平成10年3月、買主業者Xが売主Yから土地付中古住宅を1,600万円で購入し、新築分譲住宅を建設する目的で解体。
- 解体後、平成8年にYの母親が建物内で首吊り自殺していたことが判明。
- Xは契約解除を求め、違約金及び解体費用410万円の損害賠償を請求。
判決の要旨:
- Xが土地建物を買い受けた目的は、新築住宅建設と分譲であり、解体されていることから主として土地取得のため。
- 建物内での自殺事実は瑕疵に該当する可能性があるが、既に取り壊された建物においては、嫌悪感が特定できない一空間に変容しており、瑕疵担保責任の対象外と判断。
- 自殺の事実は瑕疵に該当せず、売主Yに説明義務はないとして、Xの請求は理由がなく、棄却。
まとめ:
- 過去において自殺があった場合の判例は、物件が存続しているときは一定の期間を超えても瑕疵担保責任があるとするものもあるが、今回のケースでは既に建物が取り壊されていたことが判明。
- 判決は、特定できない空間に変容したため嫌悪感がなくなり、瑕疵担保責任の免責を支持した。
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