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隠れた瑕疵として産業廃棄物の存在

事案の概要:

  • 平成8年3月4日、XはAの媒介でYから都内の土地を1億7,226万円で購入。
  • 自動車修理工場建設の目的で土地を取得。
  • 土地内にはコンクリート塊、ビニール片、電気コードなどの産業廃棄物が埋まっていたことが、建設業者が杭工事を開始した際に発覚。
  • XがYに通知し、産業廃棄物の撤去に伴う費用を請求。

判決の要旨:

  • Yは土地が工場建設目的であることを知っていた。
  • 地中の産業廃棄物はボーリング調査では発見されず、杭工事が開始されて初めて判明。
  • 地中に隠れた瑕疵があり、Xが撤去費用を支出したことにより損害を被っていると認定。
  • Xは産業廃棄物を発見してから瑕疵通知をし、通知期間内に判明したため、瑕疵通知義務を果たしている。
  • Yに対し、損害賠償として248万円余を支払うことを命じる判決。

留意点:

  • 土地の売買において、隠れた瑕疵として産業廃棄物の存在が認定されたケース。
  • 異なる事案での瑕疵の認定には、土地の利用目的や埋設物の性質による差異が見受けられる。