事案の概要:
- 買主Xが築21年の土地付戸建住宅を業者Y3の媒介で購入。
- 引き渡し後、1階和室の巾木に虫食いを発見し、床下でシロアリの被害が判明。
- XがY1・Y2・Y3に対し、不法行為による損害賠償と瑕疵担保責任による賠償を請求。
判決の要旨:
- 売買契約時点で土台がシロアリに侵食され、構造耐力上危険性を有する欠陥があった。
- Y1及びY2は現況調査書に欠陥を記載せず、シロアリ被害に特別な知識がないため、欠陥を把握していたとは言えない。
- Y1及びY2に対する不法行為は成立せず、Xが欠陥を契約時に知らなかったことに過失はない。
- Y1には瑕疵担保責任があり、除斥期間の起算点はシロアリ被害が相当程度減殺されることを認識した時点。
- Y3は土台を見ることなくシロアリに特別な知識がないため、欠陥を認識しなかったと認定。
- Xの請求のうち、Y2及びY3に対する請求を棄却し、Y1に対する瑕疵担保責任に基づく請求を一部認容。
まとめ:
- 中古住宅の売買では、売主も建物の状態を十分に把握していない可能性がある。
- 現況有姿売買でも隠れた瑕疵は免責されないため、媒介業者には専門業者による建物診断を勧めるなど、トラブルを防ぐ工夫が求められる。
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