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瑕疵があった場合の修復義務が明記

案の概要:

  • 売主(Y1)が築19年の中古住宅を売却。
  • 売買契約書には現状有姿での売渡しと、物件状況確認書の内容と異なる瑕疵があった場合の修復義務が明記。
  • 買主(X)が屋根・壁の老朽化、床鳴りなどの瑕疵を発見し、損害賠償を請求。
  • 一審ではXの請求が棄却され、Xが控訴。

判決の要旨:

  • 問題とされる瑕疵は築19年の中古住宅が通常有すべき品質・性能を欠くものではなく、契約書に基づく現状有姿の売渡しである。
  • 物件状況確認書の内容と異なる瑕疵がない限り、売主(Y1)は修復義務を負わない。
  • 付帯設備に関する瑕疵担保責任免除の特約は有効であり、信義則に違反する特段の事情がない限り免責主張は許容される。
  • 売主(Y1)には屋根や外壁についての具体的な修繕計画が存在しない限り、告知義務はない。
  • 媒介業者(Y2)には物的瑕疵についての調査告知義務はなく、特段の事情がない限り過去の修繕経過についても告知義務はない。

まとめ:

  • 築19年の中古住宅について通常の品質・性能を欠く瑕疵がないと認められ、売主(Y1)には修復義務がない。
  • 特約による付帯設備の瑕疵免責は有効であり、特段の事情がない限り信義則に違反しない。
  • 売主に具体的な修繕計画がない場合、告知義務は発生せず。
  • 媒介業者には物的瑕疵や修繕経過についての告知義務はない。