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名義貸し

 この事例は契約違反に関するものであり、代理業者が自身の免許名義を免許を有していない者に名義貸しし、法律違反を知りながら何度も同様の行為を繰り返し、複数の被害者に対して誠実に対応していなかったことから、1年間の業務停止処分を受けたケースです。

 

事実関係

  • Xは代理業者Yの折込チラシで見た分譲地を購入することを約し、Yの担当者Aに手付金59万円を支払った。
  • 重要事項説明書及び売買契約書の交付は受けず、Aの進言で土地の購入面積を増やし、Aから個人的な金銭の借入れを申し込まれた。
  • 半年後に土地代金477万円をAに支払いながら、所有権移転がされず、貸金85万円の返済もされない。
  • Yの事務所を訪れても、Yの社長は責任を放棄し、Aに任せていると述べた。
  • XはYの所属する協会に相談し、同協会が行政庁に来庁した。
  • Yは宅建業免許のないAに名義貸しを持ちかけ、何度も同行為を繰り返したことを認めていた。

事情聴取

  • Yは造成、広告、販売、契約全てAが行ったと主張し、重要事項説明書及び売買契約書はAが持参し、白紙の状態で押印したと述べ、名義貸しの事実を認めた。

処分

  • 行政庁はYが自らの免許名義を免許を有していない者に貸し与え、法律違反を知りながら何度も同行為を繰り返し、被害者に対して誠実に対応していないとして、1年間の業務停止処分を下した。