このトラブル事例は契約違反に関するものであり、代理業者が売主に対して契約内容を長期間交付せず、売買代金の一部を着服したとして免許取消処分を受けたケースです。
事実関係
- 契約者Xは、代理業者Yの代理により宅地を2分割してAに181平方メートルを1,920万円で、Bに31平方メートルを50万円で売却する契約を締結。
- AとBは売買代金を全額支払ったが、YはAに対して1,100万円しか支払わず、残額の700万円を支払わなかった。
- Xには売買契約書が交付されておらず、XはYが所属する協会に相談し、行政庁に報告。
- 業法違反の事情聴取
- Yの事務所調査により、業法違反が判明。
(ア) 届出された取引主任者は常勤しておらず、主任者証の有効期限が満了していた。
(イ) 8件の契約中、重要事項説明書に記載された取引主任者が実際には説明を行っていなかった。
(ウ) XがAとの土地売買契約に関する書面が6か月間交付されなかった。
Yの説明と前年の苦情
- YはAとの契約書送付がBとの契約書作成後であるため、Xに送付していなかったと主張。
- 700万円は他の経費に流用し、支払時期は不確定。
- 重要事項説明は代表者が行ったと主張。全取引のうち約5-6割が取引主任者が説明したと述べる。
- 前年にも代金支払いの遅延に関する苦情が行政庁に寄せられていた。
処分
- 行政庁はYに対して、専任の取引主任者未設置、重要事項説明不足、契約書の長期交付遅延、売買代金の一部着服などの違反があったとして、免許取消処分を下した。
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