配偶者居住権を活用する場合

配偶者居住権を活用する場合、以下のポイントに注意する必要があります。

• 不動産登記が必要

相続登記の必要性：

　配偶者居住権を主張するためには、まず相続登記が必要です。被相続人から相続人への所有権移転登記が行われていることが前提条件です。

 

配偶者居住権の登記手続き：

　不動産に配偶者居住権を設定するためには、配偶者が登記権利者となり、居住建物の所有者が登記義務者として共同申請する必要があります。

 

登記免許税：

　配偶者居住権の設定登記には登録免許税がかかります。この金額は「建物の固定資産税評価額×0.2％」で計算されます。

• 配偶者居住権のメリットと注意点

生活の継続：

　配偶者居住権を活用することで、亡くなった配偶者が所有していた住居不動産で生活を続けることが可能です。

 

相続人との調整：

　配偶者居住権の存在により、他の相続人との遺産分割協議が円滑に進むことが期待されます。

　この際、他の相続人が他の財産（預貯金など）を相続することで、配偶者は不動産の利用権を確保できます。

 

不動産価値の分割：

　配偶者居住権により、不動産の権利を「使う権利」と「その他の権利」に分けることで、相続人たちがそれぞれ異なる権利を持つ形になります。

 

制約としてのデメリット：

　不動産には抵当権や他の権利がつくことがあり、配偶者居住権もその1つです。

　これがあると、不動産の売却や譲渡が難しくなる可能性があります。

 

配偶者以外の権利行使不可：

　配偶者居住権は、配偶者にのみ認められる権利であり、他の相続人はこの権利を行使することはできません。

 

成立要件の確認：

　配偶者居住権が成立するためには、相続開始時に配偶者が被相続人所有の建物に居住していたことと、遺産分割や遺贈などで権利を取得していることが必要です。

　以上のポイントを踏まえて、適切な手続きを行い、配偶者居住権を有効に活用することが重要です。

　法務省のウェブサイトや弁護士などの専門家のアドバイスを受けることも役立ちます。