タンス預金とは?なぜするのか
1. タンス預金の定義:
- 概要:
タンス預金は、金融機関に預けずに、タンスや金庫、その他の個人の場所に保管されている現金を指す。
- 規模:
日本銀行の「資金循環統計」によれば、タンス預金の総額は約107兆円に達しているとされる。
2. タンス預金の目的:
- 急な出費の備え:
相続時の口座凍結に備えて、故人の葬儀代など急な出費に備えておく場合がある。
- 金融機関破綻への備え:
預け入れた金融機関が破綻した場合に、資産を保護する手段としても利用される。
3. タンス預金の問題点:
- 税務署の見抜き方:
KSK(国税総合管理)システム活用:税務署はKSKシステムを用い、納税者の所得や財産を把握しており、相続税申告との矛盾が見られた場合、タンス預金を疑うことがある。
- 過去10年分の調査:
税務調査官は納税者の同意なしに預貯金口座を調査し、過去10年間の出入金を調査して高額な出金があればタンス預金の可能性を疑う。
- 法定調書との組み合わせ:
不動産、保険、証券などの法定調書と銀行取引情報を組み合わせ、不明な出金を追跡してタンス預金を発見することがある。
- 税務調査での現物捜索:
税務調査官はタンス預金の存在を疑うと、実地調査で相続人や被相続人の通帳や印鑑、家具などを確認し、現金を発見することがある。
4. タンス預金のデメリット:
- 盗難・紛失のリスク:
タンス預金は盗難や災害による紛失のリスクがあり、身内によるトラブルも発生する可能性がある。
- 相続人間の争い:
遺産分割時にタンス預金の存在が不明瞭な場合、相続人間での争いの原因となる。
- 税金のペナルティ:
タンス預金を申告せずに隠してしまった場合、脱税として扱われ、追徴課税や有罪判決の可能性がある。
5. まとめ: タンス預金には慎重な対応が必要:
- バレる可能性:
タンス預金は古典的な手法であり、税務調査官が見抜く可能性が高い。
- リスク回避:
タンス預金の代わりに節税対策を専門とする専門家と協力し、法令遵守を図るべき。
- 正確な申告が重要:
脱税のリスクを避けるために、正確な財産申告と税金の支払いが重要。
タンス預金は慎重な管理が求められる一方で、法令を遵守し正確な申告を行うことが、トラブル回避と円滑な相続手続きのために重要である。
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