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相続税と贈与税の違い

 相続税と贈与税の違いを押さえるポイントは、「税率」「基礎控除額」「特例制度」の3つです。

  • 税率の違い:

相続税:

 相続税の税率は財産額によって異なり、最高で55%まで上がります。

 法定相続分に応じる取得金額が6億円を超える場合に最高税率が適用されます。

 

贈与税:

 贈与税の税率は一般税率と特例税率の2つがあります。

 特例税率は18歳以上の直系尊属から贈与を受けた場合に適用され、最高税率は50%です。

 一般税率はそれ以外の贈与に対して適用され、最高税率は55%です。

 贈与税の方が同じ財産額でも税率が高い傾向があります。

  • 基礎控除額の違い:

相続税:

 法定相続人の数に応じて基礎控除額が変動します。

 法定相続人が1人の場合は3,600万円まで非課税となります。

 

贈与税:

 年110万円以下の贈与は非課税とされ、贈与を受ける側ごとに計算されます。

 例えば、親が3人の子に贈与する場合は最大330万円まで非課税となります。

  • 特例制度の違い:

相続税:

 配偶者控除や小規模宅地等の特例などが存在します。

 特に、配偶者が遺産を相続する場合は1億6千万円まで相続税がかからないなどの特例があります。

 

贈与税:

 夫婦間での居住用不動産の贈与や資金使途が特定の場合の非課税特例などがあります。

 贈与税も特例制度が多く存在します。

  • 計算例:相続税と贈与税の比較

 ケース:親の財産が現預金4,000万円、将来相続人が長男1人の場合。

 

 相続税:

 相続人1人の基礎控除額3,600万円を考慮し、残りの400万円に10%の税率を適用。課税額は40万円。

 

 贈与税:

 年110万円の非課税枠を考慮し、3,890万円に50%の税率を適用。控除額415万円を引いた課税額は1,530万円。

 この計算例からも分かるように、同じ財産額でも相続税と贈与税の税率や基礎控除額の違いによって税額が大きく異なります。

 生前の相続対策を考える場合、特例制度や個々の状況に合わせた計画が重要です。

 相続対策は早期から専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。