第三者からの情報取得手続とは?
法改正により新設された「第三者からの情報取得手続」は、債権者が非協力的な態度をとる債務者の財産に関する情報を第三者から取得する手続きです。
この手続きを通じて、土地や建物、預貯金、株式などの資産情報、そして勤務先情報を入手することが可能です。
情報取得の対象:
- 土地・建物:
法務局(登記所)から入手可能
- 預貯金:
金融機関(銀行)から入手可能
- 株式・国債・投資信託:
証券会社等から入手可能
- 勤務先情報:
市区町村役場、日本年金機構等から入手可能
- 給与差し押さえのための情報取得:
債務者の給与も差し押さえの対象となります。
債務者の勤務先情報を入手することが重要であり、財産開示手続と第三者からの情報取得手続がその手段となります。
財産開示手続の場合:
- 債権者は地方裁判所に申立てを行い、債務者を呼び出します。
- 裁判所の許可を得て、債務者に財産についての質問が可能です。
- 不動産資産、金融資産、勤務先の情報などを把握できます。
第三者からの情報取得手続の場合:
- 債権者が非協力的な債務者に対し、直接的に情報を得ることが難しい場合に利用されます。
- 第三者から提供された情報により、強制執行が円滑に進む効果が期待されます。
給与差し押さえのための情報取得の要件:
- 養育費・婚姻費用等の支払請求権:動産・不動産の差し押さえを目的とした支払請求権を有する人が情報を取得可能。
- 生命・身体の侵害による損害賠償請求権:生命や身体への重大な侵害があった場合、賠償請求権を有する人が情報を取得可能。
情報取得先:
市区町村役場、日本年金機構など。
法改正後の要件:
- 財産開示手続と同様、強制執行の手続きをしても完全な弁済が得られなかったこと。
- 過去6ヵ月以内に強制執行の手続きを行ったこと。
- 現在判明している債務者の財産だけでは完全な弁済を得られないこと。
- 不動産情報や勤務先情報のみの場合、3年以内に財産開示手続が実施されたこと。
これにより、債権者は非協力的な債務者に対し、迅速かつ効果的に財産情報を入手し、債権回収の手続きを進めることが期待されます。
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