農地を相続した場合の税金と注意点

農地を相続した場合の税金と注意点

 

1. 相続税にかかる農地の評価

　相続時にかかる税金は、基本的には農地の固定資産税評価額を元に算定されます。

　通常、農地の固定資産税は他の資産に比べて安価で、1,000m2あたり1,000円程度が一般的です。

　評価倍率により相続税が算定され、純農地・中間農地では評価倍率をかけた金額が相続税の評価額となります。

 

2. 農地の維持費

　農地の所有には、維持管理の労力と費用がかかります。

　農地経営を行う場合、機械や資材の購入、農業用具の修繕費、農薬や肥料の費用、害虫・害獣対策のための出費などが発生します。

　これらの経費は、農地を有効に活用するために必要です。

 

3. 農地相続のデメリット

　管理負担と経済的負担: 農地経営は労力と費用がかかります。

　草刈や除草、農道・用水路の整備が必要であり、これには時間とお金がかかります。

　転用の難しさ: 農地を簡単に宅地に転用できない場合があります。

　特に純農地の転用は難しく、農業委員会の許可が得られない場合があります。

 

4. 農地相続のメリット

　被相続人の遺志の継承: 被相続人が農業経営に興味を持ち、その経営を引き継ぎたい場合は、農地を利用して自ら農業に従事することができます。

　農地の貸し出し: 自分で使用しない場合、農地を近隣の農家に貸し出すことで収入を得ることができます。

　農地を貸し出す場合は農業委員会への許可が必要です。

 

5. 注意点

　転用の難しさ: 農地の転用には慎重な計画と農業委員会の許可が必要です。

　純農地の場合は特に難しい場合があります。

　維持管理の必要性: 農地の維持管理は重要であり、所有者が直接農業に従事しなくても、管理のための手間やコストを予め考慮する必要があります。

　農地の相続は、地域や個々の状況によって異なるため、専門家の助言を仰ぎつつ、計画的な相続対策を検討することが重要です。