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死因贈与のメリット、デメリット

「死因贈与」のメリット:

  • 相続人への意思伝達:

 死因贈与では契約が成立するため、贈与する相手に自分の意思や要望を事前に伝えることが可能です。

 特に、負担付き死因贈与を通じて、相手に生前のサポートを期待する要望を伝えることができます。

  • 確実な財産移転の実現:

 贈与契約は当事者双方の同意が必要なので、事前に相手が「もらうこと」を承諾しているため、死後に財産の移転が確実に実行される可能性が高まります。

  • 形式の柔軟性:

 死因贈与は遺言と異なり、形式に縛られないため、口頭でも成立します。

 文書を作成する場合も法律で定められた形式がなく、贈与者の死後の検認も不要です。

 

「死因贈与」のデメリット:

  • 形式によるトラブルの可能性:

 形式にとらわれないため、口頭で成立する場合、相続開始後に贈与者の相続人との間でトラブルが生じる可能性があります。

 書面があっても、全てが印字されている場合に真正性が疑われることがあります。

  • 撤回の難しさ:

 死因贈与も遺言に準じた形式であるため、通常は撤回が可能ですが、特定の条件が付与された負担付き死因贈与の場合、負担を履行している場合は撤回が難しいことがあります。

  • 不動産の移転に伴うコストと手間:

 不動産が贈与の対象である場合、登記にかかるコストや手間が大きいことがデメリットとされます。

 登記手続きには相続人全員の同意が必要であり、登録免許税や不動産取得税もかかります。

 特に不動産の場合、他の方法に比べて手続きが複雑で負担が大きいことがあります。