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特別受益の定義

 特別受益(とくべつじゅえき)は、相続人が故人から特別に生前贈与を受けたり、遺産をもらい受けたりすることを指します。

 これにより、ある相続人が他の相続人よりも特別な贈与を受けていた場合、その特別な受益を考慮して相続財産を分割する制度です。

 

特別受益の定義:

 特別受益は、遺贈や死因贈与による贈与、または婚姻や養子縁組のため、または生計の資本としての贈与が該当します。

 遺贈と死因贈与は無条件で特別受益となります。

 一方で、生前贈与については、婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として行われた贈与が特別受益とされます。

 

特別受益となる贈与の例:

  • 住宅購入資金の援助
  • 被相続人の土地・建物の無償使用
  • 開業資金の援助
  • 留学費用の援助
  • 婚姻や養子縁組の支度金・持参金

特別受益とならない贈与の例:

  • 結婚式の挙式費用の援助
  • 家族旅行の費用の援助
  • 生活費の援助・小遣い

注意すべきポイント:

 特別受益となるかどうかは、具体的なケースや贈与の性質により異なります。

 価額の大きさや他の相続人との比較、被相続人の経済的状況などが考慮されます。

 

 死亡保険金や死亡退職金は通常特別受益には該当しませんが、相続人どうしで著しく不公平になる場合には特別受益になる可能性があります。

 

 被相続人が連帯保証人として相続人の借金を返済した場合、通常は特別受益には該当しませんが、被相続人が相続人に返済を求めなかった場合には特別受益となる可能性があります。

 特別受益に関する具体的な判断は、法律の解釈や実際の事情により異なりますので、相続手続きでは専門の法律家や税理士に相談することが重要です。