裁判事例の要旨
大項目:
手付解除の場合の媒介報酬
裁判概要:
事案の概要:
- 不動産業者Xと土地所有者Yが専任媒介契約を締結。
- Xの媒介により売買契約成立があり、手付金放棄により契約解除。
- Xが報酬請求。一審で一部支払い命じられ、Xが不服で控訴。
主張:
- Xは売買契約が成立した後でも報酬請求権が消滅しないと主張。
- Yは媒介契約書に解除時の報酬に関する特約がないと主張。
判決の要旨:
報酬請求権の存続:
- 一般的に媒介報酬は契約成立・履行後に定められるが、手付金放棄による解除でも報酬請求権は存続するとされる。
- 特約がなくても商法512条に基づき相当の報酬を請求できる。
報酬額の判断:
- 取引額、媒介の難易、期間、労力、その他事情を考慮して報酬額を決定すべき。
- Xが受け取るべき相当な報酬額は1,000万円と判断された。
まとめ:
- 媒介報酬の請求権は手付放棄や解除によっても消滅せず、媒介業者の行為や被った損害を総合的に考慮して相当な報酬を定めるべきとされた。
- どのような状況で媒介契約と報酬請求に関するトラブルが生じたか、それに対する裁判の結論や理由が示されています。
- これらの裁判事例は、契約の解除や特約の有無に基づく報酬請求権の存続、相当な報酬額の判断など、媒介契約関連の法的な原則や基準を明らかにしています。
- 各事例において、裁判所は当事者の合理的な意思を尊重し、契約の状況や事情を総合的に勘案して判断しているようです。
コメントをお書きください