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相続時精算課税制度のデメリット

 相続時精算課税制度でのデメリットは「小規模宅地等の特例という土地の減額特例を使えなくなる」ことです。

 

 小規模宅地等の特例は、特定の要件を満たすと土地の評価額を80%OFFや50%OFFにできる制度。

 特例を利用せずに相続すると相続税が発生するが、特例を利用することで相続税が0円になる場合があり、インパクトのある特例である。

 相続時精算課税制度では、贈与でもらった土地に小規模宅地等の特例を適用できない。

 特例は「相続」か「遺贈(遺言で財産を相続すること)」でもらった土地にのみ適用可能。

 不動産を相続時精算課税制度で贈与しようと考える場合、特例の適用可否を含むメリットとデメリットを比較検討する必要がある。

 建物だけ贈与し、土地は相続で引き継ぐ場合は、ケースバイケースで特例を利用できる可能性もある。

 

デメリット2:不動産の登録免許税や取得税が高額

 不動産を贈与する場合、登録免許税と不動産取得税が高額になる可能性がある。

 登録免許税は登記を行うために支払う税金で、司法書士報酬と合わせて支払われる。

 不動産取得税は不動産を取得する際に課される税金で、取得後に都道府県からの納付書が送付される。

 登録免許税と不動産取得税の合計額が贈与の場合に相続の約10倍にもなることがある。

 具体的な税率では、相続の場合は登録免許税が0.4%で不動産取得税は非課税。一方、贈与の場合は登録免許税が2%で不動産取得税は1.5%~4%。

 不動産取得税の特例や税率の変更も考慮しながら、贈与と相続の場合で比較検討が必要。

 不動産取得税が高額である場合、相続よりも贈与のほうが税金が大幅に増加する可能性がある。