過去の「贈与」や「相続」の確認

　過去の「贈与」や「相続」の確認が相続税申告にとって重要な理由。

 

過去の「贈与」の確認

• 相続税申告への直接的影響:

「直前3年内の暦年贈与」や「相続時精算課税贈与」が相続税申告に直接的に影響を与える。

　特に後者は、漏れると戦えないほどの影響がある。

• 申告者の責任:

　贈与税の申告と納付は原則として「贈与を受けた側」が行うべき。

　贈与をした側が代わりにやっていた場合、相続人がそれを把握していない可能性もある。

• 一人芝居の贈与のリスク:

　「一人芝居の贈与」の場合、名義財産として課税される可能性が高い。

　贈与自体が成立していたとしても、何年も前のことで申告の有無や内容を忘れていることがある。

• 過去の申告書の不在:

　家の中を探しても当時の申告書の控が見つからないことがあり、記憶に頼るだけでは不足する。

 

過去の「相続」の確認

• 相続控除の適用確認:

　過去の相続税納付額の一部を今回の相続税から控除できる場合がある。

　過去の申告書を確認することで、この控除の有無や額を確認できる。

• 財産の計上漏れの防止:

　過去の相続税申告書や遺産分割協議書を見れば、被相続人がどんな財産を引き継いでいたかが分かる。

　相続人が知らなかった財産がある可能性がある。

• 細かい財産の確認:

　実家の土地の持分や他の細かな財産も確認が必要。

　過去の相続税申告書にはこれらの情報が記載されている。

 

過去の申告の確認手続き

• 閲覧申請:

　所轄する税務署に「閲覧申請」を提出し、過去の申告書を閲覧することができる。

　ただし、閲覧の際には収受印はもらえない。

• 開示請求:

　相続開始年の3月16日以降に「開示請求書」を使用して、被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署に対して請求する。

　開示請求は手間がかかるが、より詳細な情報を取得できる。

　実務的には、適切な手続きを踏み、専門家に相談して正確な情報を得ることが重要。

　記憶に頼るだけでは不足するため、確認手続きを行うことで、相続税申告を適切に行える。