共有物の問題点と注意すべき事項
不動産の共有には、親子間や兄弟姉妹など複数の所有者がいる場合があります。
親子間の共有は比較的スムーズに進行することができますが、兄弟姉妹や他の第三者との共有では様々な問題が発生する可能性があります。
以下は共有物の主な問題点と注意すべき事項です。
① 利用の制限:
共有している不動産の管理や行為(賃貸など)は、持分の過半数で決まります。
不動産の変更(売却や修繕)には、全ての共有者の同意が必要です。
意見の相違があると、有効な利用ができなくなる可能性があります。
② 収益・費用の分担難易度:
収益不動産の場合、共有者の一人が管理や費用の支払いを行っている場合、収益・費用の分配に問題が生じる可能性があります。
労力が他の共有者に伝わりにくいため、不均等な分担が生じる可能性があります。
③ 担保価値の低さ:
共有不動産においては、単独所有に比べて担保価値が低くなり、借入れの際に抵当権を設定できない場合があります。
④ 将来の管理・処分の困難性:
共有状態のまま相続が進行すると、共有者の数が増え、管理や処分がますます困難になります。
未知の共有者が現れる可能性もあり、管理・処分が難しくなることが予想されます。
- 節税の面での有効性:
親子間の共有であれば、相続により最終的に子どもの完全所有が可能であり、節税面から見て有効な場合もあります。
兄弟姉妹や他の第三者との共有は、共有物の問題が生じやすいため、注意が必要です。
- 特記事項:
共有者が増えると、共有者同士が面識がない状態での管理・処分が難しくなります。
将来的な問題を避けるためには、共有の際には契約や合意事項を明確にし、適切な相続対策を検討することが重要です。
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