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受託者が借入れできる

 受益者に代わって受託者が借入れできる

 

  • 委託者ではなく受託者の名の下に:

信託契約に基づく権限を持つ受託者は、信託財産の維持管理や不動産に関する大規模修繕、建替え、新規取得などの際に必要な資金を金融機関から借り入れることができます。

融資手続きや契約書の調印は、受託者が「受託者」の名において行います。

受益者の承諾や署名は原則として必要ありません。          

  • 債務は受益者(親)のものと見なされる:

受託者が借り入れた債務は、受益者の責任で返済されます。

債務の税務上の取扱いでは、受益者たる老親の債務として扱われ、相続税の債務控除の対象となります。

  • 受益者変更権者等による受益権の変更:

信託契約においては、受益者を変更・追加する権限を信託契約書で指定できます。

これを持つ者を受益者変更権者等と呼びます。

信託受益権の変更が必要な場合、受益者変更権者等がその権限を行使し、受益者を変更できます。

この権限は、会社経営や不動産事業における事業承継などで活用され、後継者の変更に柔軟に対応できます。

  • 事業承継での活用:

信託受益権を活用して、事業用資産を後継者に引き渡す場合、後継者変更が生じた際にも受益者変更権者等が介入し、柔軟に事業承継対策を調整できます。

事業用資産の信託受益権を後継者に渡す際に、受益者変更権者等を設けておくことで、後継者の変更に迅速かつ円滑に対応できます。

  • 結論:

信託契約においては、受託者が受益者の名の下で借入れや契約手続きを行うことが可能です。

債務は受益者のものと見なされ、税務上の取扱いは受益者の債務となります。

受益者変更権者等の設定により、事業承継や後継者の変更に柔軟に対応でき、信託受益権の管理を円滑に行えます。