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信託の終了事由

  家族信託契約の設計時に検討すべき「信託の終了事由」について

 

1. 信託契約の期間の明示

出口戦略の設計:

 信託契約書には契約の期間を指定する必要があります。明示的な期間を定め、契約終了時の条件を定めます。

 

2. 信託の終了事由の明確化

死亡終了型の検討:

 特定の受益者の死亡により信託契約を終了させる場合、「死亡終了型」の設計を検討し、信託契約書にその条件を詳細に明示します。

 

3. 合意終了型の柔軟な設計

受益者間の合意終了:

 信託契約を受益者の合意で終了させる場合、「合意終了型」の柔軟な設計を検討し、契約書に必要な条件や手続きを定めます。

 

4. 複数受益者の設計

連鎖的な信託契約:

 複数の世代や受益者が関与する場合、死亡終了型や合意終了型を巧みに組み合わせ、家族全体の将来の状況に対応できるよう設計します。

 

5. 資産の変動に対する柔軟性

信託財産の変更条件:

 資産の増減や種類の変更に柔軟に対応できるよう、信託契約書に変更条件や手続きを明示します。

6. 専門家のアドバイス

家族の個別事情に合わせたアドバイス:

 信託契約の設計は家族の個別事情に依存するため、専門家(弁護士や司法書士)のアドバイスを受けながら検討します。

 

7. 家族協議の重要性

共通の理解と合意形成:

 家族全体での協議が欠かせません。将来の展望や希望を共有し、信託契約の設計についての合意形成を図ります。

 

8. 途中解除の柔軟性

変更や解除に対する規定:

 信託契約の途中での変更や解除が必要な場合、その手続きや条件を契約書に明示しておくと、将来の変更にも柔軟に対応できます。

 

9. 税務上の検討

信託の終了に伴う税務影響:

 信託契約の終了が税務上どのような影響を与えるかを検討し、必要に応じて税理士と協力して設計していくことが重要です。

 

 信託契約の設計は複雑なプロセスですが、家族の将来を見据え、柔軟で効果的な信託を構築するためには、丁寧な検討と専門家のアドバイスが欠かせません。