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生前贈与 制度変更

「生前贈与」の制度変更に関する情報をまとめてみました。

 

1. 暦年贈与の相続税節税効果が少なくなる

   暦年贈与は1年間の贈与額が110万円を超えた場合に贈与税がかかる制度。

   亡くなる前7年間の贈与が相続税の計算対象となり、これが2024年以降の変更点。

   相続税の節税効果が減少することになり、特に亡くなる前7年間の贈与は基本的に相続税対策として意味がなくなる。

 

2. 相続時精算課税制度の使い勝手がよくなる

   相続時精算課税制度は60歳以上の親から18歳以上の子・孫に対して贈与した場合の制度。

   2500万円までは贈与税がかからず、超過分には20%の贈与税がかかる。

   110万円以下の贈与に対しては無期限で相続税の計算対象外となり、贈与税の申告も不要。

   相続税の計算対象外であるため、暦年贈与と比べて節税効果が向上し、利用しやすくなる。

 

「どっちがおトクなのか」の考え方

   相続税がかからない場合は手間を考えて暦年贈与が良い。

   相続税がかかる場合は贈与のパターンにより選択が異なり、非課税枠内での贈与なら相続時精算課税制度が有利。

 

パターンごとの考察

・110万円以下の贈与の場合

  相続時精算課税制度が有利で、非課税枠内での贈与なら節税効果が高まる。

 ・贈与税の非課税枠を超えて行う贈与

 資産の額や年数により異なるため、税理士に相談が必要。

 ・孫など相続で財産をもらわない人への贈与

 相続時精算課税制度は18歳以上の子・孫にしか使えず、相続で財産をもらわない場合は暦年贈与が有利。

・複雑な生前贈与

  一度相続時精算課税制度を選択すると、暦年贈与に切り替えることはできない。

 生前贈与の計画は慎重に行い、相続税の観点から税理士のアドバイスを受けることが重要。

 この情報をもとに、個々の状況に合わせて最適な生前贈与の計画を考えることが重要です。